一人一人が力と知恵を駆使し、ようやくロボベジットを後一歩の所まで追い詰めた悟空達。しかし、ロボベジットの創造主であるドクター・ラングは、こうなる状況を予想し、その対策まで立てていた。
「ドクター・ラングは、この状況を、どう打開する気だ?」
「ふっ。周りを見てみな」
悟空達が促されるまま辺りを見渡すと、後方に見知らぬ男が立っていた。つい先程までおらず、いきなり現れた男だった。それから続々と人が姿を現し、あっという間に悟空達は大勢の人に取り囲まれてしまった。その中には人ばかりでなく、ロボットも居た。人に見える者達の中にも気を感じられる者と感じられない者が居た。
「こいつ等は一体・・・」
「彼等は、ドクター・ラングによって製造されたロボット達だ。ロボット軍団として、これまで数多くの銀河を滅ぼしてきた精鋭部隊だ。ドクター・ラングの命により、俺がピンチになるまで隠れていた」
悟空達が居る星には多くの岩山があった。その岩山の陰にロボット達が隠れていた。そして、悟空達とロボベジットの戦闘が始まると、悟空達に見つからないよう気を付けながら近付いていた。
悟空達と闘う前の打ち合わせで決めた事は、ロボベジットが悟空達に勝てば、それはそれで良い。ロボベジットが勝てなければ、ロボベジットが殺される前にロボット軍団が姿を現して代わりに闘うというものだった。ドクター・ラングは、悟空の戦歴を見て、これまで数々の不利な状況から逆転勝利してきた実績を知り、ロボベジットと言えども絶対に勝てるとは限らないと悟った。その為にロボット軍団を配置し、もしもの時に備えさせていた。
ベジータは、急いでロボベジットの止めを刺そうとしたが、ロボット軍団が大挙して押し寄せたので間に合わなかった。そして、悟空達とロボット軍団が入り乱れる乱戦となった。
ロボット軍団には、ロボベジットの様に外見も中身も人そっくりのロボットも居れば、外見は人で中身が機械仕掛けのロボットも居た。そして、中身が人そっくりのロボットからは気を感じられ、中身が機械のロボットからは気を感じられなかった。外見も中身もロボットからは、当然の事ながら気を感じられなかった。ただし、気を感じられるロボットの方が強いとか、新しく造られたという訳ではなかった。
ロボット軍団には、人間サイズのロボットだけでなく、子供が遊ぶ玩具の様に小さいロボットや、戦隊ものの番組で登場した巨大ロボットみたいなのまで居た。しかし、どのロボットにも共通して言えるのは、一体一体が並々ならぬ強さを持っている事だった。
これまでドクター・ラングが滅ぼしてきた銀河には強い者が大勢居た。その者等との戦闘で、弱いロボットは淘汰され、強いロボットだけが勝ち残った。そんな強いロボット達だけで構成された軍団だから、ロボベジットには及ばないまでも、ジンの分身や、ボラリス以外の元素戦士を超える者が大半だった。
ロボット軍団の個々の強さも相当なものだが、最も厄介だったのが数だった。よくこんなに隠れていたなと感心するほど見渡す限りロボットだらけだった。その数は、百や千では効かず、万を優に超えていた。倒しても倒しても、溢れる様にロボット達が迫ってくるので、ロボベジットに止めを刺す時間なんて無かった。
これだけ数が多くて強いロボット達が相手だと、戦闘力が劣る仲間が命を落とす危険性があった。パンは、自分の実力ではロボット達に敵わないと早々に見抜き、ロボット達が居ない場所まで早々に避難していたので無事だった。これは皆に心配を掛けさせて闘いに集中出来ない事態を招くのを回避する為の、パンなりの精一杯の行動だった。パンより戦闘力が劣る餃子も避難していた。しかし、仲間の誰かが負傷したら即座に回復させる為、戦場を一望出来る場所に移動していた。
悟空達がロボット軍団と闘っている間に、ロボベジットは、一体のロボットに担がれ、別の場所に運び出されていた。悟空達は、戦闘に手一杯で気付かなかった。ロボベジットが連れて来られたのは、ドクター・ラングの研究所の中だった。そこでロボベジットは、ドクター・ラングと面会した。
「やはり俺の言った通りになったな。まあ気にするな。お前は早く治療を受けろ」
ロボベジットを治療室に運ぶと、彼を連れて来たロボットは、すぐさま戦場に舞い戻った。
その戦場では、悟空達が大勢のロボットを相手に奮闘していた。既に多くのロボットを倒したが、悟空達は、大幅に体力を消耗していた。まだまだロボットの数が多い中、このままでは全滅もありうると危惧した餃子は、レードとフリーザを回復させる事を思い付いた。レードとフリーザ、更にフリーザの体の中に憑依していたリマは、ロボベジットの攻撃を受けて気絶していた。幸いな事に、どのロボット達もレード達に近付こうとしなかった。
餃子は、レード達の元にテレポーテーションし、レード達を回復させようとした。ところが、大勢のロボット達が迫ってきた。この時、天津飯が餃子の元に駆けつけ、餃子の背後で太陽拳を使い、ロボット達の目を眩ませた。その間に餃子はレードとフリーザを回復させた。そして、フリーザが回復すると、リマがフリーザの体から飛び出してきた。目覚めたばかりのレード達三人は、状況を理解出来ずに困惑したが、周囲のロボット達を倒せば良いと判断し、戦闘に加わった。
この後も餃子は、傷付いた味方を次々と回復させていた。ところが、餃子が回復させても回復させても、味方はすぐに傷付いた。そして、何度も回復させている内に餃子自身の力が尽き、倒れてしまった。しかし、リマが餃子の元に駆けつけ、餃子に憑依した。これは戦闘前に天津飯がリマに伝えた作戦だった。戦闘力が高いリマが憑依しているので、餃子はロボットを倒しながら仲間を回復する事が出来るようになった。
悟空達は順調にロボットの数を減らしていた。ところが、この場面を研究所内の映像で観ていたドクター・ラングは、新たに三体のロボットを研究所から出撃させた。三体のロボットは、悟空達の目の前で降り立ったが、彼等を見た悟空達は大いに驚いた。何故なら三体のロボットは、かつて悟空達が闘ったハッチヒャックやジャネンバ、ヒルデガーンに各々そっくりだったからである。
ハッチヒャックもどき達は、ドクター・ラングがロボベジットを製造した後、悟空達が3C324に来るまでの間に造ったロボットだった。その際に参考にしたのも悟空の記憶だった。
ハッチヒャックもどき達からは気を感じられないが、悟空達は、彼等が他のロボットより強いだろうと予感した。しかし、ロボット軍団が数多く残っているので、全員で闘えるほど余裕が無かった。そこで悟空はジャネンバもどきと、悟天はヒルデガーンもどきと、レードはハッチヒャックもどきと、それぞれ一対一で闘い、他の者達は残っているロボット軍団と闘う事にした。これは話し合いによって決まったのではなく、流れでそうなった。
ロボット軍団は、ミレニアムプロジェクトが始まってから今日に至るまでの何百年にも渡り、ドクター・ラングが製造したロボット達で構成されていたので、新旧のロボットが居た。そして、時が経つに連れてドクター・ラングの技術や知識が向上するので、最新のロボットであるハッチヒャックもどき達は、ロボベジットには敵わないまでも、他のロボットより格段に強かった。なので悟空達三人は、連戦で疲労しているせいもあり、自ずと苦戦を強いられた。
ハッチヒャックもどき達の強さは、本物を遥かに凌駕していた。ただし、ロボベジットの様に本物に限りなく近いロボットではなかったので、本物が持つ特技は余り備わっていなかった。ハッチヒャックもどきはリベンジャーカノンを必殺技として使ったが、ジャネンバもどきは体を分解して瞬間移動せず、ヒルデガーンもどきは体をエクトプラズム化して攻撃を回避しなかった。つまり外見以外は、ほとんど本物と似ていないロボット達だった。
悟空達三人は、大いに奮闘し、苦労の末にハッチヒャックもどき達を各個撃破した。時を同じくして、ベジータ達もロボット軍団を一掃した。最強のロボベジットと闘い、その後すぐに強敵揃いのロボット軍団と闘って一人も欠けなかったのは喜ばしい事だが、後方で観戦していたパンを除いて、誰もが疲れ果てていた。この時、治療を終えたばかりのロボベジットが飛んで来て、悟空達の目の前に降り立った。ロボベジットは、傷も体力も回復し、正に万全の状態だった。
「ドクター・ラングのロボット軍団は、数あるジニア人の軍団の中でも最強を誇っていた。これからも大いに活躍するはずだった。それなのに、俺一人を生かす為に犠牲になったんだ・・・。貴様等に回復の時間など与えん!全員殺す!」
「あの時、さっさと殺しておくべきだったな・・・。こいつは、かなりやべえぞ」
ロボベジットは、自分がミスさえしなければ、先程の闘いで悟空達を倒し、貴重なロボット軍団を失わずに済んだと信じていた。その為、ロボベジットに笑みは無く、肩を震わせて怒っていた。それに対する悟空達は、余りにも無力だった。悟空達の命運は、風前の灯だった。


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